前回投稿致しましたブログ「3Dプリンターのトラブルシューティング-その1」に引き続き、3Dプリンターにおけるトラブルシューティングをまとめていきたいと思います。

前回はフィラメントの引き込みに関わるトラブルとその対処法を紹介して参りました。しかしまだトラブルのパターンがあるので、今回はまた別のパターンを紹介していきます。

はじめに

この記事は、私が社内向けに作成したドキュメントを書き直してブログにしたものになります。

そのため3DプリンターはXSHELLが所有している機種(Dreamer – FlashForge)を前提に書くことになりますが、他の機種においても共通する点があると思います。

(※前回同様、FlashForge社の公式サポートとは関係ありません)

トラブルと対処法

トラブル1:ノズル、及びプラットフォームの温度が上がらない。

3Dプリンターの温度管理は多分一般的に、センサーで取得された現在の温度に基づいているのではないかとます。Dreamerの場合はそうです。

ts2-01
ノズル、プラットフォーム、それぞれの温度を常に監視し、その温度に基いて加熱を行います。

センサーが温度を取得できない場合、3Dプリンターは、各箇所の温度コントロールが出来なくなってしまい、結果としてエラーとなってしまいます。

原因パターン1:センサーの配線の接触不良

ノズル、及びプラットフォームの温度が取得出来ない場合は、センサーを司る配線の断線、または接触不良が考えられます。

対処法:配線の再固定

今までDreamerで観察した限り、温度の測定不良が起きたときは、大抵配線の一部が緩んでいるか抜けているという状態でした。

なのでこのような場合は配線を辿り、コネクタの緩みなどを確認してください。

再起動によって、問題が復旧する場合もありますが、これは単に一時的な回復である場合が多いので、配線の確認を優先しましょう。

配線は3Dプリンター本体の底面に格納されている制御基板に繋がっています。

まずは自分であれこれ試さずに、メーカーに問い合わせ、対処法を聞くことをお勧めします。

自主的に中身を調べているうちに、逆に復旧出来なくなってしまう…といった事態にならないような注意力と、自己責任があれば、制御基板を確認してみましょう。緩みがあれば固定し、テスターで測って断線が疑われれば、はんだの付け直しや、線の交換を試しましょう。

基本配線は、緩みがないか確認するだけにとどめ、不用意に抜かないことをお勧めします。線を交換する場合は、接続先を間違わないように注意して下さい。

トラブル2:モーターの異常、またはプリント結果の異常

モーターに異常が生じると、動作不良やプリントの失敗を引き起こします。この二つの問題の原因は、大抵の場合共通しています。

モーターのトラブルは、例えばプリントの途中から座標がズレてしまったり、途中で停止してしまったりと、造形結果に大きく影響します。

造形物が正常にプリントされていなかったり、動作中に不自然な挙動や異音が確認された場合、モーターを制御する回路に何らかの異常があると考えられるでしょう。

原因パターン1:駆動部周辺の障害

タイミングベルトとプーリーの間に異物が挟まっているために、プリントに障害が出るというパターンがあり得ます。

ts3-01
ベルトに異物が付着していると、プーリーに巻き込んだ際にズレが生じます。

対処法:異物の取り除き

造形物の破片などが、ベルトとプーリーの間に挟まっていることなどもあり得ます。庫内の駆動部分周辺を見渡し、軸の移動を妨害している異物があれば取り除きます。

取り去ったら、その上で再度プリントをしてみましょう。

原因パターン2:モータードライバー周辺の接触不良

プラットフォームの昇降システム、及びXYシステムを司るステッピングモーターが異常を起こしている際、考えられる問題として、モータードライバーの接触不良が考えられます。

対処法:配線の再固定

この場合もセンサー配線の点検と同様に、メーカーに対処法を問い合わせることをお勧めしますが、自分で対処する場合は、また制御基板を確認しましょう。

ご自身で、モータードライバーが制御基板のどこにあるのかが分かっていれば、その周辺を点検しましょう。

この場合モータードライバーが原因として最も疑われますが、念のため、全ステッピングモーターのコネクタも緩みなどを確認しましょう。以上の対処で解消されるはずです。

原因パターン3:モーターの制御に関わるセンサーの接触不良

例えばプリントヘッドの可動域は、リミットスイッチが司っています。プラットフォームの昇降範囲も、通過センサーが関わっています。モーター自体の配線に問題がなければ、原因はセンサーにあるかもしれません。

対処法:配線及び、組付けの再固定

この場合も配線を確認しましょう。また、何かの衝撃でセンサーやスイッチの位置が動いた可能性もあります。こちらも合わせて確認しましょう。

配線周りの問題について

繰り返しですが、制御基板は回路図のデータなどがない状態で、憶測だけで配線を抜き差しするのはお勧めしません。配線の確認程度なら問題ないですが、それ以上踏み込むには、ある程度回路を理解した上で臨んでください。

配線の緩みが多いのは…?

配線の緩みや抜けが原因になるトラブルが頻発するのは、やはり3Dプリンターが稼働する際に振動を伴うためだと思われます。なので忘れた頃に定期的に発生するような印象です。

予防も兼ねて、たまに点検するのが良いのかもしれません。

最後に

トラブルは細かく挙げれば、まだいくつかあるのですが、今回はひとまずはここまでと致します。

ご自身で、起こりやすいトラブルの原因を突き止め、解消した経験を持てば、二回目以降は焦らず対応できるようになっていくでしょう。当たり前なことですが、重要なことだと思います。

例えば今回の記事は、XSHELLが所有する機種におけるトラブルシューティングが元になっていますが、別機種の3Dプリンターの場合でも、ここで得た経験を活かせる場面は多々あります。トラブルが起こる機材ほど、慣れが必要です。慣れれば慣れるほど、自分もその機材のポテンシャルをより引き出すことが出来るでしょう。そのために、この記事も参考にしていただけたなら幸いです。

 

About the Author SUZUKI Shohei

株式会社XSHELLにてデザイナーとして働いています。 2015年ごろより小規模な工業デザインに携わり、XSHELLや関連企業にてCAD・3Dプリンターを用いての製品設計及びデザインの分野に関わっています

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